リーデルの魅力とは?
ワインが美味しくなる理論
香りの良し悪しやその強さは、ワインの個性ばかりではなく、ワインとグラス形状との相性によっても決まります。また香りは、飲み頃温度帯でのみ充分に楽しむ事ができ、低い温度の場合は香りを弱めてしまいますし、その逆に温度が高い場合はアルコール臭のみが強く感じられてしまいます。
グラスの形状の重要性は、ワインが最適の温度で、適量をグラスに注がない場合は、効果的にその機能を働かせる事ができなくなります。
ワインはグラスに注がれた瞬間から蒸発が始まり、ブドウ品種特有のアロマがカップの縁に沿って立ち昇ってきます。結果として、グラスのサイズと形状がブドウ品種特有の独特なアロマを感じるのに役立つ事になる訳です。
非常に軽く、且つ壊れやすいアロマは、花や果実の残り香のそれであり、グラスの縁に沿って上部に立ち昇ります。一方グラスの中間部分には青っぽい植物性の香りや土の香り、鉱物性の香りを感じる事ができます。木やアルコールの最も重い香りはグラスの底近くに残ります。
グラスを廻す事によりワインが接触する部分を大きくし、これが蒸発とアロマの強度を高めます。しかし、このグラスを廻す事によって香りの要素を変化させたり、助長させることはありません。
この事は、同じワインを様々なグラスで飲んでも香りの要素すべてを感じられる事からも説明できます。この効果を除去するためにはグラスを上下にふる事が必要となります。
富貴なワインの品質は特にブーケに表れますので、全てのグラスに閉じ込められたブースを充分にお楽しみください。
充分に経験を積んだテイスターは、ブラインドテイスティングを行う際、そのワインの出所あるいはブドウ品種を当てる場合、口での味わいよりも臭覚の方を信頼するものなのです。
25オンス(約750ml)以上の容量が入る非常に大きなグラスの場合、ゆっくり丁寧に約10秒程グラスに閉じ込められた空気を吸入する事により、香りの層、花や果実の香りから土の香り、その下のアルコールの香りせも嗅ぐ事ができます。
味の好みは人により様々です。
リーデル社としては個人の好みを超えて厳格なルールを押し付ける事など到底できる相談ではありません。しかしながら、貴重なガイドラインを示す事はできます。この提案に対し、ワイン愛好家から長年に亘り、圧倒的に肯定的な支持を受けています。
グラス形状により顔の角度が無意識にコントロールされています。
飲み口が広いボルドーグラス等は、顔を上げなくても飲み物が口中へ導くよう流れますし、一方、口の狭いブルゴーニュグラスは頭を後ろに反らせ上向きになるよう設計されています。
その働きにより口中の味を感じる様々な部分に飲み物が運び込まれるのです。
ボルドータイプのグラスは、顔の向きは正面に近く、口に含むとワインは口中いっぱいに広がり、舌の中央(味蕾=舌や軟口蓋にある食べ物の味を感じる小さな器官)に留まり、長い余韻が楽しめます。
ブルゴーニュタイプのグラスでは、顔は天井を見るような上向きになり、ワインは舌の中央を通り奥まで早く流れます。酸味を感じる部分(舌の両端)に流れないため、酸味が和らいで感じるのです。
風味は飲み物を少量飲んだその後で感じられますので、乾きを癒すため飲み物をガブ飲みするのは、グラスの持つ効果を台無しにしてしまいます。
多くの場合、甘いフルーツの香りがない場合や酸味が舌を覆ってしまう時には失望を感じてしまいます。
このような事が起こった場合、グラスの形状の不適切さよりワインのせいにしてしまいがちです。正確にいえば、これはワインからのメッセージをグラスが違って伝えてしまうからなのです。
すべてのワインは、そのブドウが育った土壌、天候などにより、そのワインが持つ特性、すなわちフルーツの香りや酸味、ミネラル、タンニン、アルコール等を有する事となります。
そのワインの持つ個性を前述したような方法で飲む場合、リーデルグラスはその個性を損なう事はなくワインやスピリッツを口の中に注ぎ込みます。
グラスの仕上げは、重要な部分を占めると共にボウル部分のデザインも強く影響を及ぼします。
リーデルグラスが単なるグラスではなく、喜びかつ楽しみを享受する為のグラスとして認識されるのは若干の時間を要するかもしれません。